果物は太る?
こんにちは。
管理栄養士の仲村です。
今回のブログのテーマは「果物」です。
糖質制限やダイエット、夜勤のおやつなど
これまでの様々なブログで
果物を食べましょう!
という内容で取り上げてきました。
そんな中で、良く聞かれることが
「果物って太るんじゃないの?」
ということ。
このブログを読んでくださっている方の中にも
果物を食べると太るイメージがあり
避けている方もいらっしゃるかもしれません。
果たしてどうなのでしょうか。
今回は果物を食べると本当に太るのかについて
書いていこうと思います!
▶果物に含まれる栄養素
まずは、果物にどんな栄養が含まれているのか
見ていきましょう。
代表的なものが
「炭水化物(糖質)」と「ビタミンC」ですよね。
ここで炭水化物と糖質についておさらいします。
炭水化物と糖質の関係を表すと
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
となります。
糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物。
果物は太りやすいイメージの糖質が豊富ですが、
同時に食物繊維も豊富に含まれています。
▶食物繊維の働き
食物繊維といえば、
便秘解消に役立つイメージですよね。
不溶性食物繊維が便のかさを増やし
腸の蠕動運動を刺激して
便秘を予防・解消してくれます。
詳しくは以前のブログ「便秘対策!」を
見てみてくださいね。
便秘対策以外にも色々な働きがあります。
▷血糖上昇を穏やかにする
食物繊維は、血糖の急上昇を抑制し
穏やかにしてくれる働きがあります。
果物には糖質が多いから、血糖が心配。。。
そんな声もよく聞きますが、
甘いお菓子と比べると、
血糖上昇は緩やかです。
この理由のひとつが食物繊維が豊富なこと。
他にも、フルクトース(果糖)は
直接血糖に影響しないことも理由のひとつです。
※すでに糖尿病と診断されている方は、
通常より血糖値が上がりやすい状態です。
必ず主治医の指示に従い
食べすぎないようにしましょう。
※摂りすぎた果糖は
中性脂肪として蓄えられます。
中性脂肪が高いことを指摘されている方も
食べる量は主治医や管理栄養士に
相談してみましょう。
▷コレステロールの吸収を抑制!
食物繊維のもうひとつの役割として
コレステロールの吸収を抑制したり
胆汁酸の吸着・排泄をすることがあります。
胆汁酸は、
脂肪の消化・吸収を助けてくれている消化液。
肝臓で作られています。
消化管に脂肪が流れてくると腸に分泌され、
役割を終えると吸収されて再度肝臓に戻ります。
食物繊維はこの
胆汁酸やコレステロールに吸着し、
再度吸収されて肝臓にもどるのを防ぎ、
そのまま便として排泄されるようにしてくれます。
さらに、肝臓に戻る胆汁酸の量が減ると、
肝臓は胆汁酸をさらに作ろうとします。
その材料がコレステロールなので、
体に蓄えられていたコレステロールまで
消費させてくれます!
一石二鳥のコレステロール低下効果ですね!
▷腸内環境を整える
ひとの腸内には約1000種類、100兆個もの
腸内細菌がいます。
善玉の菌と悪玉の菌、
そのどちらでもない中間の菌と
大きく分けて3グループで構成されています。
腸内細菌の中で一番数が多い菌は中間の菌で、
次に善玉菌が多く、悪玉菌は少数です。
このバランスが崩れ、悪玉菌が増えると
様々な病気などに関わってくる
と言われています。
(肥満、糖尿病、大腸がん、
動脈硬化症、炎症性腸疾患など)
食物繊維の中でも「水溶性食物繊維」は
善玉菌のえさになるので、
善玉菌の多いバランスの良い腸内環境づくりに
役立ってくれますよ。
▷果物の種類別食物繊維量
食物繊維の量は果物の種類によって違います。
ブルーベリー 5g
きんかん 4.6g
パパイヤ 4.4g
キウイフルーツ 3.8g
いちご 3.5g
びわ 3.2g
桃 3g
八朔 3g
いちじく 2.9g
洋ナシ 2.9g
柿 2.4g
パイナップル2.3g
マスクメロン 2g
梨 1.8g
さくらんぼ 1.8g
バナナ 1.1g
みかん 0.8g
ぶどう 0.8g
すいか 0.6g
(全て80kcalあたり)
手に入りやすいものだと
冷凍のブルーベリーや
今の季節が旬の「きんかん」、
通年スーパーに並んでいるキウイフルーツ
などが食物繊維を摂りたいときに
おすすめの果物です。
▶ビタミンCが豊富
果物に多い栄養素のもうひとつがビタミンC。
果物以外に野菜などにも多いですが、
果物で摂るメリットは「生で食べられる」こと。
ビタミンCは熱に弱いので
加熱すると壊れて減ってしまいます。
また、水溶性なので茹でても
水に流れて減ってしまいます。
そのため、加熱調理が多い野菜に比べると
生で食べる果物の方が
効率的にビタミンCを
摂ることができます。
▶その他にも…
他にも、果物に多く入っていて
多くの人におすすめの栄養素が
「カリウム」です。
ナトリウム(塩分)をからだの外に出す
はたらきがあるので、
高血圧の予防などに役立ちます。
※すでに血圧が高くお薬を飲んでいる方や
腎臓の機能が弱っている方は
必ず主治医の指示に従いましょう。
(摂り過ぎが良くない場合があります)
▶まとめ
果物に含まれている栄養素と
健康効果について書きました。
日本人の特に若い方は
果物の摂取量が不足しています。
果物をよく食べている人の方が
体重が減りやすかったり、
糖尿病になりにくかったりするなど
多くの良い効果を期待できる果物。
普段の生活にもう1品、
取り入れてみてはいかがでしょうか。
※今回のお話は、
何らかの理由で治療・通院をしている方には
当てはまらない場合があります。
必ず主治医と相談するようにしましょう!
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mail : yuu7.rmkn@gmail.com
LINE ID : yuu7.rmkn
まで。お気軽にご連絡ください(^^)
参考
厚生労働省 e-ヘルスネット 果物
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html
厚生労働省 e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
糖尿病食事療法のための食品交換表
日本食品成分表